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人間中心設計(HCD)とは?事例と導入方法を解説

2019.05.09 Posted by

d_1903_19_2どんなWebサイトでも、それを利用し、お金を落としてくれたり、考え方に共感してくれたりするのはユーザーです。
一人ひとり異なる考え方や価値観を持ったユーザー。そのユーザーが満足できるWebサイトの造りでないと、サプライヤーの目的は果たせません。
今日お話しするのは、Webサイトの設計についてです。
誰のためのWebサイト・デザインなのか、忘れずに制作できていますか?

これは避けたい!作り手都合のWebサイト制作

Webサイトを設計する段階で、導入するシステムや作成者の都合によって、要件やデザインなどが事前に決まってしまうことはありませんか?
例えば、ある新しい決済システムを導入したいために、購入までの導線が複雑になってしまうようなパターン。
そういったシステム都合や作成者のやりやすい・やりたい形を追い求めてしまうと、出来上がったWebサイトはユーザーにとっては「これじゃない」「なにか違う」使いづらいデザインになっていることも多々あります。
制作上の制限や導入システムなどは一旦置いておいて、誰のためのWebサイト・デザインなのかを一度立ち返って考えてみましょう。
一言で言えば「人間中心設計(HCD = Human Centerd Design)」という手法、これを参考にしていくべきです。

人間中心設計とは

人間中心設計とは、文字通り人間(ユーザー)が利用しやすいように、常にユーザー中心で(Webサイト)設計を行う考え方です。
先ほどの例で言えば、導入するシステムや作成者の都合に振り回されて設計を行うではなく、常にユーザーが利用しやすい設計を心がけましょうということ。
他の例でお話すると、見た目の美しさやデザインにこだわりすぎて、ユーザーが求めているコンテンツやリンクが見つからない場合や、ビジュアル的で勝負しようと高画質の画像を何百枚と貼り付けた結果、読み込み速度が遅くなり、ユーザーにとって使いづらい状態になるなど、こういったケースの発生を防ぐ考え方が人間中心設計です。

人間中心設計の事例

人間中心設計を推進するNPO法人、「人間中心設計推進機構」が実施している、HCDベストプラクティスアワードというものがあります。
こちらでは人間中心設計を実践した、様々なプロダクトや取り組みが表彰されていますが、Webサイト制作と近しい案件でいうと、スマートフォンアプリ制作で2017年に「楽天ペイ」アプリが受賞されています。
https://www.hcdnet.org/practice/award/third_award/hcd-1065.html
授賞理由については、プロトタイプ段階でデプスインタビュー(1対1の面談式インタビュー)を繰り返し、人間中心設計のプロセスを実行。「安全に加えて安心感が得られないといけない」「簡単よりもお得感」などの顧客インサイトを発見し、実際にサービスに反映したからというもの。
その結果、ユーザーや導入店舗の評価に繋がったといいます。

4つのプロセス

ではこの人間中心設計を実行に移す際、どのような方法をとればよいのでしょうか。
人間中心設計を行うには4つのプロセスがあり、こちらを踏襲していくとより効果的に進めることができます。

 

1.利用状況の把握と明示(調査)

楽天ペイでも行ったような、ユーザーへの利用調査です。ここで閲覧環境や興味関心といったユーザーニーズを明確にしていきます。
この結果と合わせ、今のWebサイトの問題点や課題を洗い出すと良いでしょう。

 

2.ユーザーと組織の要求事項の明示(分析)

ユーザーが何を望んでいるか、企業がどのようなことを実現したいのか、Webサイトの目的、目標を明らかにしながら、ユーザーの関心をもとに、Webサイトに求めるコンテンツを追求します。

 

3.設計による解決案の作成(設計)

Webサイトにどのようなデザインやコンテンツを設置するかを考え、UI/UXデザインに配慮しつつ設計を行います。

 

4.要求事項に対する設計の評価(評価)

完成後、Webサイトの評価を行い、設計にフィードバック。数字分析から取り組みを評価し、次回の改善につなげます。

 

PDCAサイクルのように、上記「調査→分析→設計→評価」を行い、ユーザーが求める設計が完成するまでプロセスを繰り返すことが大切です。
人間中心設計の手法で重視されるのは、主に「1.利用状況の把握と明示」です。固定観念にとらわれず、ニュートラルにユーザーを見ること。
ユーザーの利用状況をアンケートやインタビューなど行って調査したり、実際にユーザーが利用する現場をよく観察したりしましょう。

 

上記の「楽天ペイ」が行ったデプスインタビューもこの段階で実施したと考えられ、それが成功につながっています。ここでユーザーが本当に求める欲求(インサイト)をできると、人間中心設計の目的にかなうデザイン・設計が実現できるはずです。

まとめ

今回は少々難しい話になってしまいました。
人間中心設計は少しアカデミック部分があり、とっつきにくいかもしれません。
ただ、モノを作るとき、設計するとき、デザインするとき、本来の目的に立ち返り、誰のためのデザインかを考える際に役に立つ手法だといえます。
ユーザーを第一に考え、成果の出るWebサイトを制作していきましょう。

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