スタッフブログ

ペルソナはもう古い?基礎からわかるAI時代のペルソナ設計と活用法

2026.05.22 Posted by

ペルソナはもう古い?基礎からわかるAI時代のペルソナ設計と活用法

「ペルソナマーケティングはもう古いのでは?」
「AIで顧客分析ができる今、ペルソナは不要ではないか?」
といった疑問を抱えていませんか。
結論からいうと、決してペルソナそのものが不要になったわけではありません!

 

この記事では、ペルソナが古いと言われる背景を整理しつつAI時代でもペルソナ設計が重要である理由を分かりやすく解説します。あわせて、AIを取り入れた設計の進め方や、設計したペルソナをWebサイト運用にどう活かしていけばよいかも紹介します。
ペルソナに対するモヤモヤを整理したい方や、これから実務にどう落とし込めばよいか知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください!

目次

1.結論:ペルソナ自体は古くない!しかしアップデートは重要

「ペルソナマーケティングは古い」との声もありますが、実際はその手法が時代遅れになったわけではありません。ペルソナマーケティングは今でも十分に有効なアプローチです。
AI時代の今求められているのは従来の手法を「古い」と捨て去ることではなく、設計方法とその活用方法をアップデートすることです。

1.1.なぜ「ペルソナは古い」と言われるようになった?

ペルソナマーケティングが「古い」と指摘される背景には、AIやビッグデータ解析技術の発展により個々の顧客行動をリアルタイムで詳細に分析できるようになったため、静的なペルソナの必要性が薄れたとの意見があります。つまり「AIが自動でパーソナライズしてくれるから、わざわざペルソナを設計しなくてもいいんじゃない?」というわけですね。
また、従来の手法はいくつかの課題を抱えています。SNSが一般的になりAIが進化を続ける変化の激しい現代の市場環境に対応しきれなくなっているのも事実なのです。

従来の手法が抱える課題

  1. 作成者の主観・憶測の混入
    担当者の経験や思い込みに基づいた「理想の顧客像」が作られやすく、実際の顧客との間にズレが生じてしまう。
  2. 作成・更新のコストと形骸化
    詳細なペルソナを作成するには多大な調査時間とコストがかかる。そのため、一度作成すると更新されずに放置され、市場の変化に追いつけず形骸化しやすい。
  3. 顧客ニーズの多様化・複雑化
    デジタル化により顧客の情報収集や購買行動は多様化・複雑化。単一のペルソナ像では、一人の顧客が持つ多面的なニーズや行動パターンを捉えきれなくなった。

1.2.AI時代でもペルソナがマーケティングに有用な理由

こうした課題がありながらもペルソナの設計を有効なアプローチと考えるのには、次のような理由があります。

理由1:顧客理解の共通言語になる

顧客理解の共通言語になる

ペルソナは、開発、マーケティング、営業といった異なる部門のメンバーが「私たちの顧客は誰か」という共通認識を持つために役立ちます。
AIが算出した膨大なデータやクラスター分析の結果だけでは、顧客の姿を直感的にイメージし共感するのは難しいですよね。思い描いている顧客の姿がばらばらのままだと施策の方向性もぶれやすくなります。
しかしペルソナを活用すれば、複雑なデータが実務に適した形に整理されてチーム間の意思疎通も円滑に進みます。施策に一貫性を持たせるためにも共通の判断軸が必要なのです。

 

理由2:共感に基づくクリエイティブの起点になる

共感に基づくクリエイティブの起点になる

顧客の心を動かすキャッチコピーやエンゲージメントを高めるコンテンツは、データ分析だけでは生まれません。ペルソナが抱える具体的な悩み、喜び、価値観に深く共感することが、優れたクリエイティブを生み出す源泉となります。ペルソナは、論理的なデータと感情的なインサイトを結びつける架け橋のようなものかもしれませんね。

理由3:AI活用の精度を高める土台になる

AI活用の精度を高める土台になる

AIは非常に強力な分析・生成ツールですが、どのような問いを立てて何を分析させるかの的確な指示がなければその真価を発揮できませんよね。たとえば、ざっくりとした依頼では一般的な提案が返ってきやすく、前提条件やターゲットを具体的に伝えるとより実務に近い内容が得られやすくなります。ChatGPTやGeminiなどのAIに質問や指示をした経験がある方は今まさに大きく頷いていらっしゃるのではないでしょうか。
ここで重要になるのが、具体的にどんな人に向けた施策なのかが整理されているかです。
ペルソナが明確であれば「どのような立場の人に」「どんな課題に対して」提案を出してほしいのかを具体的に伝えられます。その結果AIの出力もより精度の高いものになります。
ペルソナは不要になるどころか、AIの活用効果を最大化するための土台としても機能するのです。

2.おさえておきたいペルソナマーケティングの基礎知識

ここで一度、AI時代のマーケティング戦略を考える上でも不可欠なペルソナの基礎知識を解説しておきます。

2.1.そもそもペルソナって何?ターゲットとの違いは?

ペルソナとは、自社の製品やサービスにとって最も典型的で象徴的な顧客像を実在する人物かのように具体的に描き出した「架空の人物像」です。
ここまで聞くと「よくある『ターゲット』と何が違うの?」と疑問に思う方もいらっしゃるかもしれませんね。
簡潔にいうと、顧客像の情報の粒度や視点が異なります。
ターゲットは「首都圏在住の40代男性」のように年齢や性別などで区切った集団とするのに対して、ペルソナはターゲットをさらに深掘りし、一人の人物として具体化します。年齢や性別といった基本的な属性情報だけでなく、その人の価値観、ライフスタイル、抱えている悩み、情報収集の方法までを詳細に設定し「この人ならどう考えるか」と想像できるレベルまで落とし込むのがポイントです。

【ターゲットで範囲を決め、ペルソナで解像度を上げる。】

この関係を意識しておくとよいでしょう。
マーケティングにおけるペルソナ設定の最大の目的は、関係者全員が「顧客とは誰か」の共通認識を持ち、意思決定のブレをなくす点にあります。プロジェクトに関わる企画、開発、営業、サポートなど、全部門が同じ顧客像を思い描くことで、「ペルソナの〇〇さんならどう思うか?」「〇〇さんならこのボタンは押さないよね」といったように、常に顧客視点に立った一貫性のある議論と意思決定が可能になります。これにより、企業本位の思い込みではなく顧客の真のニーズに基づいた製品開発やコミュニケーション戦略を実現できるのです。

2.2.具体的に何を設定するのか

ペルソナで設定する情報は、大きく次の2つに分けられます。

  • デモグラフィック情報(基本属性)
  • サイコグラフィック情報(価値観・行動特性)

それぞれ解説していきます。

デモグラフィック情報(基本属性)

人物の基本的なプロフィールにあたる部分です。ターゲット設定とも重複する内容があるため見慣れている方も多いかもしれませんね。ペルソナではこの情報を「一人の人物」として組み立てていきます。

 

情報の分類 詳細(外見)
情報の性質 客観的・統計的・事実
具体的な内容例 年齢、性別、居住地、家族構成、職業、役職、年収など

サイコグラフィック情報(価値観・行動特性)

内面や行動に関する情報です。行動の裏側にある動機などは実際の行動や意思決定に直結します。

 

情報の分類 最深(内面)
情報の性質 主観的・感情的
具体的な内容例 趣味、価値観、ライフスタイル、仕事での目標、今抱えている悩み、情報の集め方など

 

ペルソナ設計ではこのサイコグラフィックがとても重要です。
なぜなら、基本属性のデモグラフィック情報だけでは「同じ属性なのに買うものが違う」現象を説明できないからです。
たとえば次の2人を見てください。基本属性であるデモグラフィックは同じですが内面であるサイコグラフィックが正反対です。

 

  • Aさん:26歳、男性、都内勤務、アパートに一人暮らし
    「効率重視!最新家電で家事を自動化して、浮いた時間で遊びに出かけたい」
  • Bさん:26歳、男性、都内勤務、アパートに一人暮らし
    「丁寧な暮らし重視!あえて手間をかけて、土鍋でご飯を炊く時間が癒し」

 

何か家電をおすすめするにしても、AさんとBさんでは全く性質の違うものになりそうですよね。

 

このように、サイコグラフィックを設定することでその人の「価値観」が明確になり、具体的な悩みや喜びが想像できるようになります。なぜその行動をとるのか?と主観的な理由まで掘り下げて初めて「その人へ刺さる」情報が作れるようになるんです。

2.3.B2CとB2Bでのペルソナの違い

ペルソナはどんなビジネスでも重要ですが、B2C(対消費者)とB2B(対企業)では注目すべきポイントが大きく異なります。うっかり見逃しがちですのでここでチェックしておきましょう。

B2C(対消費者)でのペルソナ設計

主に個人のライフスタイルや感情に焦点を当てます。基本的には、先ほど解説したデモグラフィック情報とサイコグラフィック情報を合わせて設計します。

 

▼デモグラフィック情報・サイコグラフィック情報

 

購買の動機 個人的な満足感、憧れ、流行、自己表現、問題解決(個人的な悩み)
意思決定者 自分自身、家族、パートナー、友人など
設定項目の例 年齢、性別、趣味、休日の過ごし方、利用するSNS、好きなブランド、価値観(失敗が怖い/何事もチャレンジング、など)

B2B(対企業)でのペルソナ設計

仮にB2BのWebサイトを閲覧している会社員を思い浮かべてみてください。その場の勢いやテンションだけで「よし買っちゃおう!」と注文ボタンを押す可能性はとても低いですよね。
B2Bのペルソナ設計においては、企業の課題、目標、業績、業界での立ち位置といった、より合理的な視点が求められます。そのため、B2Bのペルソナでは会社と担当者の両方を見ることが大切です。このような、その人がどんな会社に属しているかを「ファーモグラフィック情報」と呼びます。

 

▼ファーモグラフィック情報

 

購買の動機 費用対効果、生産性向上、リスク回避、競合優位性
意思決定者 担当者、上長、決裁者、利用者など
設定項目の例 企業規模、業種、役職、職務内容、決裁権の有無、情報収集の方法、企業のKPI、稟議プロセス

 

もちろん、「担当の〇〇さんの熱意はすごかった」「あの対応は嬉しかった、信頼できるな」など、感情の動きが大切になるシーンもあるでしょう。感情を全く考慮しなくてOK、というわけでは決してありませんのでご注意ください。「会社」と「担当者」の両方を見ることが大切です。

2.4.ペルソナ設定が有効活用できる場面

設計したペルソナはマーケティング活動のあらゆる場面で「判断の拠り所」として機能します。

  • 商品・サービス開発
    ペルソナが本当に求める機能は何か、どんな課題を解決したいのかを考え、開発の優先順位を決定する。
  • コンテンツマーケティング
    ペルソナが興味を持つトピックは何か、どんな情報収集の仕方を好むかを基に、ブログ記事やSNS投稿の企画を立案する。
  • Webサイト/UI/UX設計
    ペルソナがストレスなく目的を達成できるか、の視点で、サイト構造やナビゲーション、デザインを最適化する。
  • 広告運用
    ペルソナに響くキャッチコピーやクリエイティブを作成し、ペルソナが利用するメディアに広告を配信する。
  • カスタマーサポート
    ペルソナの知識レベルや性格を想定し、応対のトーン&マナーやFAQコンテンツを整備する。

場面は違っても、顧客目線で考えるための基準として活用できます。

2.5.ペルソナ設計の注意点

ここまでご紹介したとおりペルソナ設計は多くのメリットをもたらしますが、その効果を最大化するためにはいくつかの注意点を理解しておく必要があります。

作成者の主観や理想を反映させない

ペルソナ設計でよくあるのが、実際の顧客ではなく「こういう人に買ってほしい」「こういう人なら扱いやすい」のような理想像を反映してしまうケースです。こうなると、見た目はそれらしくても実務では使いにくいペルソナになります。顧客データや問い合わせ内容、営業現場の声、インタビュー結果などをもとに、できるだけ事実ベースで組み立てることが大切です。

情報を細かく盛り込みすぎない

リアリティを追求するあまり情報を詰め込みすぎてしまうことがあります。たしかに具体性は大切ですが、項目が増えすぎるとかえって何を重視すべきか見えにくくなります。趣味や好みなども施策に関係するなら意味がありますが、関係の薄い情報まで並べるとただ複雑なだけの資料になってしまいます。実務で判断に使える情報を中心に整理することが重要です。

すべての顧客に当てはまる前提で考えない

ペルソナは、あくまで「最も典型的で象徴的な」顧客像です。すべてのユーザーをその一人で説明できるわけではありません。ペルソナに当てはまらない層がいるのは自然なことです。ひとつのペルソナに引っぱられすぎると別の重要なニーズや新しい顧客層を見落とす可能性があるので注意しましょう。

一度作って終わりにしない

ペルソナは、作成した時点で完成するものではありません。市場の流れや顧客の行動、情報収集の方法は少しずつ変わっていきます。数年前に作ったペルソナが、今の顧客像とずれているケースも珍しくありません。定期的に見直し、現実とのずれがないか確認しながら更新していく必要があります。

ペルソナを作ること自体が目的にならないようにする

ペルソナ設計はあくまで手段です。立派なシート作りがゴールになってしまうと実際の施策に活かされないまま終わってしまいます。本来は、コンテンツの企画、Webサイトの改善、広告の訴求整理など、具体的な判断につなげるために作るものであることを忘れないようにしましょう。

3.AI時代のペルソナ設計は何が変わるのか

ペルソナ自体は有効、しかし従来の問題点もそのままにはできない……という状況の中で注目されているのが、AIを活用したペルソナ設計です。
AI技術の進化は従来のペルソナ設計が抱えていた「主観」「コスト」「更新性」といった課題を解決し、マーケティングのあり方を根本から変革する力を持っています。AIを活用すれば、ペルソナはもはや静的な人物像ではなくデータに基づいて常に進化し続ける指針へと生まれ変わります。
具体的に何が変わるのか、3つの主要な変化について解説します。

3.1.客観的なデータに基づき高精度なペルソナを設計できる

従来の設計で一番の課題だった担当者の主観や思い込みを、AIはフラットな視点で排除してくれます。
AIは、Webサイトのアクセスログ、CRMに蓄積された顧客データ、購買履歴、さらにはSNS上の動きといった、膨大かつ多角的なデータを客観的に分析し、人間では見過ごしてしまうような隠れたパターンやインサイトを抽出します。これにより、担当者の「こうあってほしい」という理想像ではなく、実際の顧客行動に基づいた極めて精度の高いリアルなペルソナ像を描き出すことが可能になるのです。

3.2.現代のユーザーの複雑な行動を捉えられる

仮に、家電の購入を検討するシーンを想像してみましょう。
現代の顧客は、Webサイト、実店舗、SNSなど、複数のチャネルを複雑に行き来しながら情報を収集して購買を決定します。Webサイトひとつとっても、通勤中にスマホでぱぱっとリサーチしたり、休日にじっくり口コミを見てみたりと、購買行動には差が出ます。このような複雑な行動を人間が手動で分析して一貫した顧客像を導き出すのには限界があります。
そこでAIの出番です。AIは断片的な大量の行動データを統合して、ユーザーがどのような経緯でWebサイトにたどり着き、何に迷って決断したのかを可視化してくれます。
これまで捉えきれなかった意外な顧客層や、特定の行動を引き起こすきっかけを発見できるのも、AI活用ならではの強みといえるでしょう。

3.3.設計スピードがアップし仮説の更新を続けやすくなる

従来の手法で作られたペルソナは、一度作成すると更新されずに形骸化してしまうという大きな課題を抱えていました。再びペルソナを設計し直すとなればまた徹底的な調査が必要ですし、多くの工数がかかりますからね。市場のトレンドや顧客のニーズが驚くべきスピードで変化し続ける現代においては大打撃です。
しかしAIを活用すれば、データ収集や分析のスピードが格段に上がります。ペルソナをアップデートするハードルが下がり、継続的な更新もしやすくなるでしょう。

4.AIでペルソナを設計する際の注意点

AIを活用すればペルソナ設計は驚くほど効率的で高精度になるでしょう。しかしすべてをAI任せにするのは禁物です。AIの得意分野を活かしながら人間がどのように舵を取るか。そのバランスこそが成果への近道です。

4.1.AIの分析力と人間の創造性を掛け合わせる

AIは膨大なデータを整理して人間では気づけないパターンを見つけ出すのが得意です。しかし、AIが提示する結果はあくまで過去のデータの平均値である点を忘れてはいけません。
AIには文化的な背景やその時々の社会の空気感、そして人が抱く微妙な感情の揺れを完璧に汲み取るのは難しいのです。
そこで重要になるのが私たち人間の役割です。AIが作ったデータドリブンな骨組みに対して、現場で顧客と接してきた経験や直感を肉付けしていく。そうして初めて血の通ったリアルなペルソナが完成します。
AI時代のペルソナ設計における、AIと人間の理想的な役割分担は以下のようになります。

 

AIの担当領域 人間の担当領域
データ分析
  • 大量の顧客データ(行動履歴、購買データなど)のクラスタリング
  • 顧客セグメントごとの特徴抽出
  • 隠れたニーズやインサイトの発見
  • 分析結果の解釈とビジネス文脈への接続
  • 分析だけでは見えない「なぜ」の深掘り
ペルソナ生成 分析結果に基づくペルソナの草案(デモグラフィック、行動パターンなど)の言語化
  • ペルソナに人格、感情、ストーリーを与える
  • ブランドとの関係性を定義する
  • 共感できる具体的なエピソードの追加
仮説検証・更新
  • 施策結果のデータ分析と効果測定
  • ペルソナと実際の顧客行動とのギャップ分析
  • 分析結果を元にした仮説の再構築
  • 市場の変化やトレンドの反映
  • 次のアクションプランの策定

4.2.個人情報保護と倫理的配慮を徹底する

AIによるペルソナ設計は顧客データの活用が大前提です。そのため個人情報の取り扱いと倫理的な観点への配慮は特に徹底する必要があります。これを怠ると、法的なリスクはもちろん、企業の信頼を大きく損なう事態につながりかねません。

 

法律やルールの遵守

顧客データをAIで分析する際は、個人情報保護法の遵守が絶対条件です。自社のプライバシーポリシーを見直し、データ収集・利用の目的を明確にユーザーへ提示し、透明性を確保する体制を構築しましょう。ユーザーが自らのデータ提供をコントロールできる選択肢を用意するなど、プライバシー・バイ・デザインの考え方の導入も大切です。
また、利用するAIツールのチェックも慎重に行います。

たとえば

  • どんな会社が提供しているツールなのか
  • 入力内容が学習に使われるかどうか
  • データがどこに保存されるのか

などの点は事前に確認しておく必要があります。
もちろん信頼できるAIツールだとしても、データを渡す際に顧客の名前やメールアドレス、電話番号など、そのまま個人が特定できる情報を入力するのはNG。個人が特定できない形での集計・整理が前提です。
詳細は、経済産業省や個人情報保護委員会が公開している資料などを参照し、常に最新の情報を確認しましょう。

 

参考リンク

AI事業者ガイドライン(METI/経済産業省)

生成AIサービスの利用に関する注意喚起等について |個人情報保護委員会

 

バイアスの排除と公平性の担保

AIは、学習データに含まれるバイアス(偏り)を増幅させてしまう可能性があります。
たとえば、学習データに偏りがある場合、AIが生成するペルソナが特定の性別、年齢、地域などに偏り、ステレオタイプを助長してしまう危険性があります。このようなバイアスのかかったペルソナに基づいてマーケティングを行うと、意図せず特定の顧客層を排除したり差別的な表現につながったりするリスクがあります。
特に注意したいのは、特定の属性や傾向を過度に一般化してしまうケースです。一部のデータだけを見て「この層はこういう傾向がある」と決めつけてしまうと誤解を招く可能性があります。
学習データの段階から多様性や公平性を意識し、AIの生成結果を人間が批判的にチェックするプロセスを必ず組み込みましょう。

5.ペルソナをWebサイト運用・改善に活用していく方法

ペルソナは作って終わりではなくその後の施策にどう活かすかが肝心です。
活用できる場面はさまざまですが、ここではWebサイトを例に、具体的な活用シーンを見ていきましょう。

 

ここからは具体的なイメージを持っていただくために、ある架空のサービスのサイトとペルソナを例に挙げて解説していきます。

※もちろん、実際のプロジェクトではWebサイトのアクセス解析や顧客インタビューなどの「客観的なデータ」に基づいて設計することが大前提です。今回はあくまで「もしこんなペルソナがいたら、こんなサービスを提供するWebサイトの運用はどう変わるか?」を分かりやすくお伝えするための、説明用サンプルとしてご覧くださいね!

 

Webサイト(架空)

中堅・中小製造業向けクラウド勤怠管理システムの紹介サイト

 

ペルソナ(架空)

山岡さんイラスト

勤怠管理の見直しを任された
総務課主任山岡 静一さん

 

デモグラフィック情報

  • 年齢:38歳
  • 性別:男性
  • 居住地:静岡県
  • 役職:総務課 主任
  • 職種:総務・労務・庶務を兼務
  • 勤続年数:9年
  • ITリテラシー:高くはないが、業務で必要な範囲では使う
  • ミッション:勤怠集計の手間削減と労務管理のミス防止

 

サイコグラフィック情報

  • 月末の勤怠集計に毎回かなり時間を取られている
  • 現場から打刻漏れや修正依頼が多く、確認作業の負担が大きい
  • 法改正への対応にも不安がある
  • システム導入で業務を楽にしたい気持ちはあるが、現場に定着するか心配
  • 新しいツールに強い抵抗はないが、失敗して社内で責任を負うのは避けたい
  • 比較検討では、機能の豊富さより「自社で無理なく使えるか」を重視する
  • 営業色の強い訴求より、導入のしやすさやサポート体制を落ち着いて確認したい

 

ファーモグラフィック情報

  • 業種:精密部品の製造業
  • 企業規模:中小企業
  • 従業員数:85名
  • 年商:18億円規模
  • 所在地:静岡県内
  • 拠点数:本社工場1拠点
  • 勤務形態:事務職と現場職が混在、シフト制あり
  • 現在の運用:Excelと紙のタイムカードを併用
  • 導入済みシステム:会計ソフトのみ、基幹システム連携は弱い
  • 決裁フロー:山岡さんが情報収集と比較を担当し、総務部長が承認、最終的には社長決裁
  • 導入予算:初期費用は抑えたい。月額費用は妥当なら検討可能
  • 比較対象:他社の勤怠管理システム、現状維持、社労士への一部委託

5.1. コンテンツ企画の精度を上げる

ペルソナがあるとどんな記事やページが必要か考えやすくなります。

コンテンツ企画の考え方の違い

ペルソナを考えない場合
  • 伝えたい機能を並べる
  • 製品中心の内容になりやすい
  • 似た記事が増えやすい
ペルソナを考える場合
  • 顧客が知りたい順に情報を出す
  • 悩みや課題から入れる
  • 検討段階に応じた記事を作りやすい

 

山岡さんの立場で考えると、最初から細かな機能説明を読もうとはしないはずです。まず知りたいのは、今の勤怠管理のやり方にどんな問題があるのか、自社でも無理なく導入できそうか、といった点でしょう。
そのため、このペルソナに向けて優先したいコンテンツは次のようになります。

 

▼山岡さん向けに用意したいコンテンツの例

  • Excelでの勤怠管理が限界になりやすい理由
  • 製造業でよくある勤怠管理の悩み
  • 打刻漏れや集計ミスを減らす方法
  • 中小製造業での導入事例
  • 勤怠管理システムを選ぶときの比較ポイント

 

逆に、最初から「多機能です」「高性能です」と訴えるだけでは山岡さんには響きにくいかもしれません。今の悩みを自分ごととして整理できる内容のほうが読み進めてもらいやすいかも、と予想が立てられますね。

5.2.サービスページや導線の設計に活かす

サービスページでは、何を載せるかだけでなくどの順番で見せるかも重要です。

導線設計で意識したい視点

  • このページを読んだあと、次に知りたくなる情報は何か
  • 比較検討中の人が不安に感じる点はどこか
  • どこで離脱しやすいか
  • どの順番なら納得しやすいか

 

山岡さんのような実務担当者であれば、まず自社に合いそうかを判断したいはずです。
たとえば、次の2つのページ構成を比べると違いが見えてきます。

 

▼ありがちな構成の例

  1. 機能一覧
  2. システムの特徴
  3. 料金
  4. 会社概要
  5. 問い合わせ

 

▼山岡さん向けの構成の例

  1. 製造業でよくある勤怠管理の課題
  2. その課題をどう解決できるか
  3. 導入事例
  4. 機能と料金
  5. 資料請求や相談

 

後者のほうが山岡さんの頭の中の流れに近くなります。
いきなり機能一覧を見せるのではなく、まず課題を整理し、そのあとで解決策としてサービスを見せるほうが自然です。

5.3.SEOで「検索の裏側にある意図」を読み解く

SEOではそれらしいキーワードを入れるだけでは不十分。そのキーワードを使う人が、どんな状況で何を知りたくて検索しているのかを考える必要があります。
山岡さんの場合、最初から製品名や比較キーワードで検索するとは限りません。日々の業務の負担や不安が検索の出発点になるはずです。

 

▼山岡さんが検索しそうなキーワードの例

 

検索段階 想定キーワード 知りたいこと
課題認識 タイムカード 集計 手間 今の運用が非効率なのか知りたい
課題認識 勤怠管理 エクセル 限界 Excel運用の問題点を整理したい
情報収集 製造業 勤怠管理 課題 自社と近い悩みを知りたい
比較検討 勤怠管理システム 中小企業 中小企業向けの選択肢を知りたい
比較検討 勤怠管理システム 比較 製造業 条件に合う製品を比較したい

 

▼山岡さん向けに用意したいページの例

  • 課題を整理する記事
    例)Excelでの勤怠管理が大変になる理由
  • 業種別の悩みに触れる記事
    例)製造業で起こりやすい勤怠管理の課題
  • 比較検討向けのページ
    例)中小企業向け勤怠管理システムの選び方
  • 導入後をイメージさせるページ
    例)製造業での導入事例、料金、FAQ

 

ご覧のように、ペルソナがあるとキーワード選定が単なる単語探しで終わりません。検索意図に沿った設計の指針となってくれますよ。

5.4. コンバージョンにつながるCTAやフォームを改善する

CTAやフォームは決定の最後のひと押しになる部分です。ここでもペルソナを踏まえると判断しやすくなります。

 

山岡さんは決裁者ではなく、まず情報収集と比較を進めたい立場でしたね。この段階で「今すぐ商談予約」と強く促されても、押しが強くてちょっとストレスだな、と感じるかもしれません。

 

▼ストレスに感じられる可能性があるCTAの文言の例

  • 今すぐ問い合わせる
  • 今すぐ商談予約
  • すぐに導入相談する

 

▼山岡さん向けのCTAの文言の例

  • サービス資料をダウンロードする
  • 製造業向けの導入事例を見る
  • 料金表を確認する
  • 導入の流れを詳しく見る

 

もちろん商材や状況によりますが、比較検討の初期段階では資料請求や事例閲覧のほうが動きやすいケースも多いです。Webサイトを作る側からすると「さあ、今すぐに予約して!」と言ってしまいたくなる気持ちもわかりますが、落ち着いて顧客の視点に立ち、選択しましょう。

 

フォームも同じです。
山岡さんは、まず社内で比較するための情報を集めたい段階にありますね。
この段階で入力項目が多いと、資料請求というより「営業対応の前提がある重い行動」に感じやすくなります。まだそこまで進むつもりがないのに……と途中で立ち止まってしまうかもしれません。
また、資料を1本ダウンロードしたいだけなのに、会社情報や役職、電話番号、課題の詳細まで細かく求められると、少し身構えてしまいますよね。特に忙しい実務担当者は「すぐに営業電話が来たら面倒だな」と後回しにしやすいです。
そのため、このような初期接点では必要最低限の入力項目に絞ったほうが動いてもらいやすい場合も多いです。

 

▼ありがちなフォームの例

  • 会社名
  • 氏名
  • 電話番号
  • 役職
  • 従業員数
  • 課題詳細
  • このサービスを知ったきっかけ

 

▼山岡さん向けのフォームの例

  • 会社名
  • 氏名
  • メールアドレス

 

いかがでしょう。
具体的な「山岡さん」を一人思い浮かべるだけでWebサイトでやるべきことが驚くほどはっきりしてきませんか。
もしペルソナがいなかったら、きっと「とりあえず最新機能をアピールしよう」とか「SEOはキーワードの数で勝負だ」といった、どこにでもある無難なサイトになっていたはずです。たった一人の人物を深く理解するだけで、言葉の選び方やボタンの置き方までここまで変わるんです。ペルソナは単なる資料ではなく、迷ったときに「こっちの道で合ってるよ」と背中を押してくれる強力な指針になってくれるはずです。

6.まとめ

「ペルソナマーケティングはもう古い」との噂に不安を感じていた方も、ここまで読んで少し安心していただけたなら嬉しいです。
自社のWebサイトで誰に何を届ければいいのか分からなくなってきたな……と感じたら、まずはペルソナのアップデートから始めてみてはいかがでしょうか。

オリエンシートダウンロード

採用サイト 絶対に外せない5つのチェックポイント

オリエンシートダウンロード

CONTACT

お電話でのお問い合わせ

03-5366-3277

受付時間:平日9:30〜18:30

メールフォームからのお問い合わせ

お問い合わせ(東京本社)

PAGETOP

Document資料請求

Contactお問い合わせ