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「もっとカッコ良く」はなぜNG?修正回数が激減するデザイナーへの伝え方

2026.04.23 Posted by

修正回数が劇的に減るデザイナーへの指示の伝え方

なんか違う…でもどう伝えれば…?

突然ですが、デザイナーから上がってきたデザインカンプ(完成見本)を見たとき、パソコンの画面を見つめながら、こんな風に頭を抱えたことはありませんか?

 

「うーん、なんかイメージと違う……。でも、どこをどう直せばいいのか、言葉にできない。」

 

とりあえずその場の感覚で「もうちょっとポップな感じでお願いします」「全体的にシュッとさせてください」「なんとなくインパクトが足りない気がします」…そんな風に伝えてみたものの、数日後に上がってきた修正版を見て「あれ、そうじゃないんだよな…」とまた悩む。気づけばメールやチャットでの修正のやり取りが5往復、6往復と続き、公開スケジュールもギリギリに——。

Web担当者様にとっては胃が痛くなる状況ですよね。でも実は、指示を受ける私たちデザイナーにとっても、同じくらい苦しい状況なんです。

 

「ポップ」という言葉一つとっても、それがカラフルな色使いを指すのか丸みのあるフォントを指すのか、それとも賑やかな写真のことなのか、人によって具体的なイメージは異なります。正解が見えない中で、デザイナーは「これかな?それともこっちかな?」と、暗闇の中でボールを投げ続けるような状態になってしまうからです。

 

しかし、安心してください。デザインの修正指示を出すのに、特別なセンスや専門用語は一切必要ありません。
たった一つの伝え方のコツを押さえるだけで、あなたの意図は劇的にデザイナーに伝わるようになります。その結果、修正回数は最小限になり、上がってくるデザインのクオリティも格段にアップするはずです。

 

今回は現役デザイナーの視点から、お互いが幸せになりプロジェクトがスムーズに進むための『修正指示(フィードバック)の極意』をお伝えします。
「いつも修正のやり取りで消耗してしまう…」という方は、ぜひ最後までお付き合いください。

 

1. デザイナーを困らせる「NGワード」とは?

まず、私たちデザイナーが少しだけ(いや、実はかなり)困ってしまう修正指示の言葉についてお話しします。
それは「感覚的な言葉(抽象語)」です。例えば、以下のような修正指示を出したことはありませんか?

 

「もっとかっこよくしてください」
「全体的にシュッとした感じで」
「なんかポップさが足りない気がします」
「とりあえず、いい感じにお願いします!」

 

これらは日常会話ではよく使われる言葉ですが、デザインの現場では迷走の原因になります。なぜなら、これらの言葉は人によって定義が全く異なるからです。

例えば「かっこいい」と言われたとき、Aさんは「黒ベースの高級感あるデザイン」をイメージしているかもしれません。しかし、Bさんは「赤や黄色を使った、インパクトのあるデザイン」をイメージしているかもしれません。さらにデザイナーは「最新のトレンドを取り入れた、余白多めのミニマルなデザイン」だと思うかもしれません。

 

「もっとカッコよくして」という言葉だけでは共通認識にならない

 

この「認識のズレ」がある状態で修正を進めるとどうなるか?

デザイナーは「かっこいい」という言葉から想像した、「スリムなセリフ体フォントを使ったパターン」「寒色系の配色のパターン」「余白多めのパターン」と、いくつものデザイン案を作らなければならなくなります。これは作業時間の増加(=納期の遅延やコスト増)に直結します。
そして何より「とりあえず出した案」の中に、あなたの求めていた「正解」がある可能性は低いのです。

 

2. 最も重要なのは「解決案」ではなく「課題」を共有すること

では具体的にどう伝えれば、お互いの強みを活かしたスムーズな進行ができるのでしょうか。

 

修正を依頼する際は、ご自身で考えた「どう直すか(解決案)」を伝える前に、まず「何が問題だと感じたか(課題・事実)」を共有していただけないでしょうか。
なぜなら、Webサイト制作は異なる専門分野のプロ同士の共同プロジェクトだからです。

 

皆様は、自社の事業内容、業界の動向、そして何よりターゲットとなるお客様の気持ちを最も深く理解している「ビジネスと顧客のプロ」です。 私たちデザイナーは、そのビジネスの目的を、視覚表現や使いやすさといった技術で達成する「デザインのプロ」です。この両者の知見がうまく噛み合ったときに、最高のWebサイトが生まれます。

しかし多くのWeb担当者様は気を遣って、ご自身でデザイン的な解決案まで考えて指示を出してくださることがあります。お気持ちは大変ありがたいのですが、これが結果としてお互いの専門性を活かせないもったいない状況を生んでしまうことがあるのです。

分かりやすい例で見てみましょう。

 

ケース1:会社のロゴをもっと目立たせたい場合

現場でお客様と接している担当者様だからこそ、「このロゴはもっとお客様の印象に残さなければいけない」という重要な課題に気づかれたとします。

 

△ 解決案のみの指示: ロゴのサイズを、今の1.5倍に大きくしてください

これを受け取ったデザイナーは、こう考えます。 (ビジネスのプロである担当者さんがそう言うなら、何か意図があるはずだ。でも、単純に大きくすると全体のデザインバランスが崩れて、かえって信頼感を損ねないだろうか…?)

デザイナーは「指示を守ること」と「デザインの質を守ること」の板挟みになり、結果として、バランスの悪い「ただロゴが大きいだけのサイト」が出来上がってしまいます。

 

しかし、もし担当者様が、その背景にある「課題」をご自身の言葉で共有してくれたらどうでしょうか?

 

◎ 課題の共有: お客様と接する中で、もっと当社のブランド名を認知してもらう必要があると感じています。現状のデザインだと、背景に馴染んでしまってロゴの印象が弱い気がするのですが、どうでしょうか?

これを聞いたデザイナーは、視界が開けます。

目的が『ブランド認知の向上』であれば、単純にサイズを大きくするよりも、ロゴの周りの余白を大きくして他の要素と区別する、あるいはロゴと背景の色のコントラストを強くするなどの修正の方が、上品さを保ったまま、より強く印象に残せるかもしれない。というように、目的を踏まえた上でより最適なデザインを提案することができます。

 

ケース1:会社のロゴをもっと目立たせたい時

 

ケース2:お問い合わせボタンのクリック率を上げたい場合

Web担当者様にとって最も重要な「成果(コンバージョン)」に関わる部分です。成果を急ぐあまり、つい具体的な見た目の指示を出してしまいがちなケースです。

サイトへのアクセス数はある程度あるのに、肝心のお問い合わせや資料請求になかなか繋がっていない。担当者様は「ボタンが目立っていないから気付かれていないのでは?」と焦りを感じているとしましょう。

 

△ 解決案のみの指示: お問い合わせボタンを真っ赤にして、常にピカピカ点滅させてください

これを受けてデザイナーは、 確かに目立つけど、サイトの信頼感を損ねてしまうし、ユーザーに「押し売り感」を与えて逆に避けられてしまうかもしれない。でもクリックさせたいという強い要望だから、やるしかないか…と悩みながらも指示通りの真っ赤なボタンに修正します。最終的に品のない、ユーザーが警戒してしまうデザインになってしまい、お問い合わせ数も思うように増えないという最悪の結果になってしまうかもしれません。

 

◎ 課題の共有: アクセス解析を見ると、多くのユーザーがこのページで離脱しており、次のアクション(お問い合わせ)に進んでいないようです。お客様がボタンの存在に気づいていないか、あるいは押すメリットを感じていない可能性があります。行動を促すための動線設計を見直したいのですが…

課題が『離脱率の改善』と『行動喚起』であれば、単に色を変えるだけでなく、ボタンの近くに「1分で完了!無料相談」といったマイクロコピー(短い誘導文)を追加したら心理的ハードルを下げられるでしょう。または、スクロールしても画面下部に追従するフローティングボタンを設置して、いつでも押せる状態にするのも効果的、というご提案ができます。こちらの方が、結果的にユーザー心理に基づいた効果的な動線改善が実現し、目的どおりお問い合わせ数の増加も望めます。

 

ケース2:お問い合わせボタンのクリック率を上げたい場合

 

ケース3:「余白」がもったいないと感じた場合

自社のサービスや商品に詳しい担当者様だからこそ、「もっと情報を伝えたい」という熱意と、デザイナーが意図的に作った余白が衝突するケースです。例えば 新サービスの紹介ページのデザインで、担当者様は伝えたい魅力がたくさんあるが、上がってきたデザインはスッキリしていて、所々に白いスペース(余白)がある。「ここが空いているなら、もっと情報を詰め込めるのでは?」と感じているとしましょう。

 

△ 解決案のみの指示: セクションの間に白いスペースが空いているので、ここに補足テキストを5行追加してください

これを受けてデザイナーは、ここはユーザーが情報を消化するためにあえて一呼吸置くための大切な「間(ま)」なんだけどな…ここに文字を詰め込むと、全体が窮屈になって結局読んでもらえなくなりそうだけど…と悩みながらも指示通りのテキストを追加して余白を詰めた結果、情報過多でどこが重要か分からず、ユーザーが疲れてしまうページになってしまいます。

 

◎ 課題の共有: 今回のサービスは専門性が高いので、お客様の不安を払拭するためにも、もう少し詳細なスペック情報まで伝えきりたいという思いがあります。現状のデザインは非常に綺麗なのですが、ターゲットである『専門職の方』にとっては、少し情報密度が低く、物足りなく感じる懸念があるのですが、いかがでしょうか?

そうするとデザイナーはターゲットが専門職の方で、情報深度を求めているという課題からデザインでの解決策を考えます。メインの流し読みするエリアの余白は維持しつつ、興味がある人だけが開いて読める「アコーディオン(開閉式)UI」で詳細情報を追加すれば、ページの見た目はスッキリ保ったまま、必要な人に十分な情報を届けられます。結果、読みやすさと情報量を両立した、ターゲットに最適なUIが実現できるでしょう。

 

ケース3:「余白」がもったいないと感じた場合

 

いかがでしょうか?

担当者様がビジネスの視点で見つけた課題を投げかけ、デザイナーがデザインの視点で最適な解決策を投げ返す。これが、プロ同士の理想的なキャッチボールです。

「赤くして」「大きくして」と具体的な指示を考える負担を、ご自身で背負い込む必要はありません。 事業と顧客のプロである皆様が見つけた違和感や課題は、私たちにとって宝の山です。ぜひ、その「種」をそのまま私たちに共有してください。それをデザインの力で花開かせるのが、私たちデザイナーの役割です。

 

3.誰でも使える「フィードバックの3ステップ」

「課題を伝えるのが大事なのはわかったけれど、具体的にどう文章にすればいいの?」

そう思われた方のために、私たちデザイナーにも確実に伝わる「魔法の指示出しテンプレート」をご紹介します。メールやチャットで指示を出す際は、ぜひこの構成を使ってみてください。

 

デザイナーに伝わる修正指示の3ステップ

【場所】どこの話か?
【懸念】何が起きているか?どう感じるか?
【目的】どういう効果を得たいのか?

 

デザイナーに伝わる修正指示の3ステップ

 

これだけだと分かりにくいので、具体例で見てみましょう。

 

例:お問い合わせボタンの色を変えたい場合

× 悪い例(解決策のみ) 「お問い合わせボタンを赤色に変えてください」

これだと、デザイナーは「なぜ赤なのか?」が分からず、ただ色を変えるだけの作業になってしまいます。これを3ステップに当てはめると…

 

◎ 良い例(3ステップ活用)

【場所】 ページ下部の「お問い合わせボタン」について
【懸念】 全体的に青いページなので、ボタンが埋もれてしまって、ユーザーが見落とす気がします。
【目的】 最も重要なボタンなので、パッと見て「ここがボタンだ」と気づかせたいです。

 

いかがでしょうか?こう伝えていただければ、デザイナーは「赤色にする」だけでなく、「ボタンを立体的にする」「動き(アニメーション)をつける」「周りの要素を減らす」など目立たせるためのベストな提案をいくつも考えることができます。

 

ワンポイントアドバイス:言葉で説明できない雰囲気は参考サイトで!

 

「清潔感」「温かみ」「スタイリッシュ」といった雰囲気の話は、どうしても言葉では限界があります。そんな時はイメージに近いWebサイトのURLや、Pinterest等の画像を共有してください。

「このサイトの『余白の取り方』が、求めている高級感に近いです」「この画像の『色の組み合わせ』のような、賑やかな感じにしたいです」

百聞は一見にしかず。これが最も確実で、お互いの時間を節約できる方法です。

 

4. それでも「なんか違う」と思った時の対処法

論理的に説明しようとしても、どうしても「理屈じゃないけど、感覚的に何かが違う…」と感じることもあると思います。

そんな時は、無理に専門用語を使おうとせず、以下の2つの方法を試してみてください。

 

① 主語を「自分」から「ターゲット」に変えてみる

「私が好きじゃない」と言うと角が立ちますが、「ターゲットユーザーの視点」として伝えると、建設的な議論になります。
「私としては良いと思うのですが、今回のターゲットである『30代の主婦層』から見ると、少し色が暗くて堅苦しい印象を与えないでしょうか?」
こう相談されれば、デザイナーも「確かに!ではもう少しパステルカラーを取り入れて柔らかさを出しましょう」と、ターゲットに合わせた修正が可能になります。

 

② デザイナーの「意図」を聞いてみる

一見「変だな?」と思うデザインにも、実はプロならではの深い意図が隠されていることがあります。修正を指示する前に、一度こう聞いてみてください。「ここの文字があえて小さいのには、何か狙いがあるんですか?」
すると、「はい、ここはあえて小さくすることで、その下のキャッチコピーを強調する『対比効果』を狙っています」といった答えが返ってくるかもしれません。意図を知れば「なるほど、それならこのままでOKです!」と納得できることもあるかもしれません。

 

まとめ

最後に、今回のポイントを振り返ります。

 

  1. 「かっこよく」「シュッと」などの抽象的な言葉は避ける。
  2. 「どう直すか(解決案)」の前に、「何が問題か(課題)」を共有する。
  3. 「場所・懸念・目的」の3ステップで伝えると、意図が正確に伝わる。
  4. 迷ったら「ターゲット視点」で相談するか、デザイナーの意図を聞いてみる。

 

Webサイト制作は、決してデザイナーだけの力では成功しません。

 

事業の現状、業界の動向、そして誰よりもお客様の声を肌で感じているのは、Web担当者である皆様です。その「ビジネスの最前線にいるプロ」としての知見は、私たちデザイナーには持ち得ない、かけがえのないものです。だからこそ、皆様がデザインに対して感じるちょっとした違和感や言葉にできない懸念は、プロジェクトを成功に導くための非常に重要なヒントになります。

 

どうか、その貴重な気づきを「デザインの素人だから」と飲み込んだり、ご自身で解決案を考えなきゃと抱え込んだりしないでください。私たちデザイナーは、皆様のビジネスゴールを深く理解し、それをデザインの力で実現するための「共創パートナー」でありたいと願っています。

 

お互いがプロとしての誇りと専門性を持ち寄り、率直に課題を話し合うこと。そんな質の高いコミュニケーションこそが、ターゲットの心に響く、最高のWebサイトを生み出す唯一の方法だと確信しています。ぜひ、次回のデザイン確認から、私たちをもっと信頼して相談してみてください。素晴らしいサイトを一緒に創り上げていきましょう!

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