知らない間に広告費を損失している?「アドフラウド」って?

知らない間に広告費を損失している?「アドフラウド」って?

「アドフラウド」をご存知でしょうか?

「Ad Fraud = 広告詐欺」は近年欧米を中心として議論されるようになっています。ディスプレイ広告における大きな問題点として議論されているわけですが、日本ではインターネット広告に携わっている人でさえ、あまりなじみがない言葉かもしれません。

今回は、この「アドフラウド」とは何かということから、問題視される背景、日本と欧米での考え方の違い、さらには対策まで踏み込んで考えてみたいと思います。

アドフラウド問題とは?

「広告詐欺」と聞くとなんだか強烈なイメージが残りますよね。その名前だけでは非常に誤解されやすい言葉だと思います。アドフラウドとは、無効なインプレッションやクリックを稼ぎ、広告費用に対する成約数や広告効果などを水増しする不正広告のことです。
コンピュータによる自動プログラム「bot」(ボット)が、悪質なプログラミングを組み込み、人間のようにブラウジングすることで、広告表示やクリックを不当に発生させることが代表例として挙げられます。つまり、ロボットが広告を見ているかもしれないのです。

アドフラウド問題の顕在化を説明するにあたって、欠かせない概念として「Viewbable Impression(以下VI)があります。このVIとは、「広告の50%以上の面積が画面に1秒以上露出するインプレッション」のことです(Media Rating Council および Interactive Advertising Bureauによる)。米グーグルが2014年12月、このVIについて「ディスプレイ広告の全インプレッションの56.1%がVIになっていない」との調査広告を発表しました。すなわち、1秒にも満たない広告表示へお金を払っていたということになります。このことから、VIへの問題意識が顕在化しました。

次の問題として挙がったのがアドフラウド問題です。広告が表示されたことが確認できたとして、ではその広告を実際に見ているのは誰なのか、ということ。もちろん「人」が見ていれば、広告としての効果はあり得るのですが、仮に「ロボット」が見ていたとしたらどうでしょう。お分かりですよね、これでは広告の効果が得られません。

ロボットが見ているか、人が見ているか、その判断はCookieだけでは危ういのではないかという問題意識が顕在化してきたのが、アドフラウド問題なのです。

日本であまり注目されない理由とは

アドフラウドが問題視される理由はご理解いただけたでしょうか。
次に、ではなぜ日本ではそれほど議論がされていないのか、考えてみましょう。

この背景には、欧米と日本との広告に対する「目的・視点」が異なることがあります。欧米の広告に対する評価は「ブランド価値を維持・向上することを前提としたうえで、どれほどの人に見られ、認知を得たか」ということが基準となって判断されます。

一方、日本の場合は「どれほどの成果に結びついたか」という、いわば「成果主義」なのです。一見、この成果主義こそ正しいように思えるかもしれませんが、そこには大きな危険性があります。それは、「ブランド価値」を重要視していない点にあります。

最終的な成約件数のみに注目した場合、そのプロセスである「何回表示されたか、見られたか」ということを軽視しがちなのです。

欧米ではブランド価値が傷つけられないのは当然。正しいターゲットに見られなければ広告の意味はない、と考えているのが一般的な広告への姿勢なのです。そのため、不正広告を排除しようという問題意識が欧米では生まれやすく、日本ではなかなか顕在化してこなかったのだと考えられます。

アドフラウド対策:アドベリフィケーションツール

では、アドフラウドに対する対策はどうなっているのでしょうか。

欧米の場合ではすでに対策が進められていますが、その一つが「アドベリフィケーションツール」です。すでに企業でも多く導入されはじめています。

 

アドベリフィケーションの機能は大きく二つあります。

1)ブランドセーフティー

この機能は、広告主のイメージ低下を招くようなサイトに配信されることを防ぎます。

2)インビュー

ユーザーが実際に目にする位置に広告が表示されたインプレッションを計測する機能です。

 

アドベリフィケーションツールを活用することで、ブランドが望む媒体に広告が表示されたか、そもそもみられる枠に掲載されたかの報告が得られます。これをもとに広告主は、アドフラウドが多そうな媒体を判断でき、より精度の高い広告へ投資することができるようになるのです。

アドベリフィケーションツールを用いた対策は、実は日本でも始まろうとしています。例えば、Momentum株式会社は、アドベリフィケーション機能を提供するツール「Black Swan」を運営・提供しています。

Facebookが広告媒体として人気の理由

これらの対策を講じたうえでも、やはり「広告を見ているのがロボットなのか、人間なのか」を判断するのは困難だと言われています。しかし広告主としては「できる限り絞り込んだターゲット(人)への広告を配信したい」と考えます。

Facebookはこのニーズに対して、最も精度が高く応えることができるツールなのです。なぜならば、ユーザーの年代や性別などが登録されており、Cookieなどの情報に基づいて人かどうかを推測しているわけではないためです。

このような背景があって、Facebookは広告プラットフォームとしても人気があるのです。

日本ではまだまだ認知度の低い「アドフラウド」ですが、見込み客に対して効率よく広告配信を行うためには、「正しいターゲットに配信できる媒体かどうか」という視点を持つことも大切です。広告媒体側の対策を待つだけでなく、出稿する広告主やWebマーケティング担当者は今後、アドフラウド対策を検討する必要があるでしょう。

  • このページを共有する