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Gmail送信者ガイドライン完全版!迷惑メール判定を回避し確実に届けるための設定と対策

2025.06.09 Posted by

Gmail送信者ガイドライン完全版!迷惑メール判定を回避し確実に届けるための設定と対策

1. はじめに

「最近、Gmailにメルマガが届かない」「お問い合わせメールの返信が迷惑メールフォルダに入っていた」……そんな声をよく耳にするようになりました。
2024年以降、Googleは迷惑メール対策を強化しており、特にGmail宛てのメールには厳格な送信者認証と運用ルールが求められるようになっています。これに対応していないと、迷惑メールでなくても届かなくなるリスクがあります。
本記事では、Gmailの送信者ガイドラインを正しく理解し、メルマガや通知メールが確実に相手に届くための設定と対策を徹底解説します。
また、実際に当社の担当者が対応した事例も交えて、実務レベルでの確認ポイントと改善手順を紹介します。記事後半には、届かない時に役立つチェックリストもご用意しましたので、保存版としてぜひご活用ください。

2. Gmail送信者ガイドラインとは?

2.1 Gmailが迷惑メールと判断する基準

Gmailの送信者ガイドラインとは、Gmailにメールを届けるためにGoogleが提示している迷惑メールと判定されないための技術的なルールです。特に企業の一斉配信(メルマガや通知メール)では、このガイドラインに準拠していないと、迷惑メールフォルダに振り分けられたり、まったく届かなかったりすることがあります。Gmailは、様々な要素を組み合わせてメールが迷惑メールかどうかを判断しています。主な基準は以下の通りです。

 

基準 説明
認証設定 SPF、DKIM、DMARCなどの認証技術が適切に設定されているかを確認します。これらの設定は、メールの送信元を検証し、なりすましを防ぐために重要です。
接続方法 メールの送信には TLS 接続を使用することによってセキュアな接続を求められています。
送信ドメインとIPアドレスのレピュテーション 送信元のドメインやIPアドレスが過去に迷惑メールを送信した履歴がないか、ブラックリストに登録されていないかなどを確認します。
ユーザーの反応 受信者がメールを迷惑メールとして報告したり、開封せずに削除したりする頻度が高い場合、迷惑メールと判断される可能性が高くなります。
ユーザーから報告される迷惑メール率を 0.3%未満にすることも要件に定められています。

 

これらの基準に加えて、Gmailは機械学習アルゴリズムを用いて迷惑メールを検出しています。そのため、常に最新のガイドラインを把握し、適切な対策を講じる必要があります。より詳細な情報は、Googleの公式ヘルプページを参照してください。

 

ガイドラインの中心となるのが、次の3つの認証技術です。

 

SPF・DKIM・DMARC相関図

2.2 SPF(Sender Policy Framework)

SPF

SPFとは送信者ドメインのDNSに、正規の送信サーバー(IPアドレス)を登録する仕組みを指します。 受信側では、実際の送信元IPと照合し、正しい送信かどうかを判断します。

SPFの設定はDNSのTXTレコードに追加する形式で、”v=spf1″ から始まり、信頼する送信元をIPアドレスやinclude形式で列挙します。たとえば以下のような形式になります:v=spf1 ip4:203.0.113.0/24 include:_spf.example.com -all

この中で”-all”の部分は、リストに載っていないIPからの送信は拒否する、という強いポリシーです。 SPFのチェックに失敗した場合は、Gmailがそのメールを迷惑メールと判断したり、受信を拒否する場合もあります。

2.3 DKIM(DomainKeys Identified Mail)

DKIM

DKIMはメール本文やヘッダーに電子署名を付与し、改ざんされていないことを証明する仕組みのことです。 受信サーバーは、DNSに登録された公開鍵を使ってこの署名を検証します。
署名には暗号技術が使われており、送信側のメールサーバーが秘密鍵で署名し、受信側がDNSにある公開鍵で照合することで、改ざんの有無を検出します。 DKIMは、なりすましの防止だけでなく、送信元の信頼性を高めることにもつながります。特に企業が送る取引メールやパスワード通知などでは、この署名が重要です。

2.4 DMARC(Domain-based Message Authentication, Reporting and Conformance)

DMARCはSPFやDKIMの検証結果をもとに、「不正なメールをどう扱うか」を定義するポリシーです。 また、レポート機能により、自社のドメインが不正利用されていないかを監視することができます。

DMARCは”v=DMARC1; p=none; rua=mailto:…” のように設定され、ポリシー(p=)の値で受信者に指示を出します。

  • none:とりあえず監視のみ
  • quarantine:迷惑メールフォルダへ
  • reject:メールの受信自体を拒否

また、ruaでレポート送信先を設定すると、どのIPがどんな結果になったかのレポートをGmail側から受け取ることができます。

3. 迷惑メール判定を防ぐ5つの基本対策

迷惑メール判定を防ぐ5つの基本対策

3.1 認証設定(SPF/DKIM/DMARC)を正しく行う

前章で解説した認証技術は、もはや任意ではなく「必要不可欠」です。 特にGmailは、これらの設定が行われていない、あるいは不備がある場合にはメールの到達性を厳しく制限します。

  • SPF:複数の送信元を持つ場合はincludeやip4/ip6を使い分ける
  • DKIM:複数ドメインを管理する場合はセレクタ管理に注意
  • DMARC:初期はp=noneで運用し、エラー率を確認したうえでp=rejectへ

DNSへの設定後は、MXToolboxなどのツールでの検証を必ず行いましょう。

3.2 件名・本文をシンプルにし、不審な表現を避ける

迷惑メールとみなされやすい表現や構成には以下のようなものがあります。

  • 「無料」「今すぐ」「緊急」など強い語句の多用
  • 大量の絵文字、記号、英字の連続
  • HTML装飾過多でテキストがほとんどない

これらはスパム判定アルゴリズムの特徴と一致しやすく、慎重に避ける必要があります。

3.3 短縮URLや装飾過多なHTMLを使わない

短縮URL(bit.ly、tinyurlなど)は、悪意あるリンクの隠蔽手段としてスパムでよく使われるため、避けましょう。 また、画像のみで構成されたHTMLメールや、インラインCSSが多すぎる場合も、受信サーバー側で迷惑メールと判断される要因になります。

3.4 送信頻度やリスト管理を適切に

一方的な大量配信や、開封率が極端に低いリストへの定期配信は、スパム率を押し上げます。

  • 開封率の低い購読者には定期的にリマインド→反応なければ削除
  • リストは定期的にクリーニング(無効アドレスやエラーアドレスの削除)
  • セグメントごとのパーソナライズ配信を導入することで反応率UP

3.5 Postmaster Toolsで定期的に状況をモニタリングする

Googleが提供するGmail Postmaster Toolsでは、以下のような情報を確認できます。

  • IPレピュテーション(High/Medium/Low)
  • ドメインレピュテーション
  • スパム率
  • 認証結果(SPF/DKIM/DMARCの成功率)

定期的にチェックすることで、問題の早期発見と対応が可能になります。

4. ウェブラボの実践事例:メルマガやフォーム通知がGmailに届かない?その時どう対応したか

2024年のある時期から、ウェブラボでは複数のお客様から以下のようなご相談が寄せられるようになりました。

  • 「サイトのお問い合わせフォームからの通知が、管理者のGmailアドレスに届かない」
  • 「独自ドメインからGmail宛に自動転送されるはずのメールが届かない」

これは、Googleの送信者ガイドラインが強化されたことにより、自動配信メールがGmail側でスパム扱いされていたことが原因でした。

4.1 対応の目的

  • サイトのフォームから送られる自動通知メールをGmailに確実に届けること
  • ガイドライン準拠の認証設定(SPF)により、迷惑メール判定を避けること

4.2 具体的な対策とその背景

  • フォームの送信元メールアドレスを、サーバ側のドメインを使った正規アドレスに変更
    多くの共用レンタルサーバには、サーバ業者側で標準のSPFレコードが設定されているため
  • SPFで参照されるのはEnvelope-From(エンベロープFrom)であり、これはReturn-Pathに反映される
  • Return-Pathの設定により、バウンスメール(エラーメール)も正しく処理されるように

4.3 TLS非対応によるメルマガ配信トラブル

  • 使用していたメルマガ配信機能では、サーバーが古くTLSによる暗号化通信に非対応だった
  • GmailはTLS未対応のメールを受信拒否または迷惑メール扱いする可能性がある
  • 対応が難しかったため、別のメルマガ配信スタンドに切り替えて問題を解決

4.4 学びと今後の対応方針

  • SPF認証はReturn-Pathが鍵 → ドメインと送信元の整合性を意識する
  • TLS対応のないメール配信は、今後ますますリスクが高くなる
  • サーバーやメルマガ配信スタンドの乗り換えも視野に入れた柔軟な運用が重要

5. Gmailに届かないときのチェックリスト

チェック項目 確認内容
SPF/DKIM/DMARC DNSレコードは正しく設定済みか?
ブラックリスト 送信IPがリスト登録されていないか?(MXToolbox等で確認)
メール内容 短縮URL、スパムっぽい表現がないか?
開封・反応率 最近の配信で反応が極端に悪くなっていないか?
Gmail Postmaster レピュテーション評価やスパム率が高くなっていないか?
配信頻度 過剰な送信・不定期な送信になっていないか?
購読解除リンク 明確な解除導線がついているか?

 

Gmailに届かないときのチェックリスト

6. まとめ

Gmailの送信者ガイドラインは年々厳格になっており、対応していないまま配信を続けると「届かない」「迷惑メール行き」といった問題が発生します。
今回ご紹介した認証設定(SPF/DKIM/DMARC)の見直し、本文やリストの管理、Postmaster Toolsの活用は、すべて確実に届けるために今すぐやるべき基本対策です。
本記事を参考に、貴社のメール配信環境もぜひ一度見直してみてください。

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