既成概念や思い込みに囚われがちな頭に

『知的複眼思考法 ― 誰でも持っている創造力のスイッチ』苅谷 剛彦 (著)(講談社+α文庫)

『知的複眼思考法』
誰でも持っている創造力のスイッチ

(著) 苅谷 剛彦 (講談社+α文庫)

「日本人は集団主義だから、企業において終身雇用が定着した」
「日本は学歴社会だから、受験競争が激しくなって、いじめや登校拒否などの教育問題を生み出している」

こんな文章が新聞や雑誌のコラムに書かれていた時、あなたは「ん?本当にそうなのか?」と「なぜそう言えるのか?」と疑問を持ちますか?それとも「そうだなぁ」とそのまま読み過ごしてしまいますか?


もしあなたが後者なら本書は気づきが多いと思います。

本書は、大学教授である著者が、大学で教壇に立つにあたって、大学を出てすぐに社会に出る学生に、専門的知識を教えることよりも、「知識を受け取る過程で学んでいくことがら」の方がずっと重要なのではないか、「学生たちに、問いの発見のおもしろさや、視点を変えてものごとをとらえることで、新しく何かが見えてくる瞬間のスリルを伝えられないか」という思いで書かれたものです。

複眼思考とは

ものごとを単純にひとつの側面から見るのではなく、その複雑さを考慮に入れて、複数の側面から見ることで、当たり前の「常識」に飲み込まれない思考のしかた

と述べられています。

私たちは、思った以上に「正解信仰」に近い思考パターンを持ってしまっています。
そして、そういった既成概念や思い込みが思考停止をもたらし、それ以上考えなくなってしまいます。

次のようなことを意識するだけで、誰でもそういった思考停止から抜け出し、創造性を発揮できるというのが本書の主張です。

・その文章が、どんな前提に立って書かれているのかを考える
・1つの漠然とした問いを複数の問いに分解してみる
・分解したものについて、1つ1つ因果関係を見ていく
・概念レベルで考えてみる
・関係論的に見ていく 等々

今朝の新聞に書いてあったことは本当なのか?違う視点は無いのか?
上司や部下が言っていることは本当なのか?もっと良い方法があるのではないか?
クライアントが話していることは本当なのか?もっと違う原因があるのではないか?

知的複眼思考法は、1年前の成功事例すら通用しなくなる今のビジネスの場に必須のスキル。
今流行の「ロジカルシンキング」系の本と合わせて読むと、より理解が深まると思います。

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