調査結果を見るセンス

『「社会調査」のウソ ― リサーチ・リテラシーのすすめ』谷岡 一郎 (著)(文春新書)

『「社会調査」のウソ』
リサーチ・リテラシーのすすめ

(著) 谷岡 一郎 (文春新書)

経営者やマーケティング担当者の方々は、「社会調査!?私は関係ない」もしくは「いらない」と思わせてしまうタイトルですが、これは超オススメ本です。

歯切れの良い文章、ぐいぐい引き込まれます。

世の中に蔓延している「社会調査」の過半数はゴミである。
始末の悪いことに、このゴミは参考にされたり引用されることで、新たなゴミを生み出している。

なぜこのようなゴミが作られるのか。それは、この国では社会調査についてのきちんとした方法論が認識されていないからだ。いい加減なデータが大手を振ってまかり通る日本-デタラメ社会を脱却するために、我々は今こそゴミを見分ける目を養い、ゴミを作らないための方法論を学ぶ必要がある。 
(表紙カバーのそで部分コピーより抜粋)

会社の中で、様々な統計データを一番見る機会が多いのが、経営者やマーケティング担当者です。
コンサルティング会社や営業マンが持ち込んでくる提案資料には、「社会調査」に限らず、様々な統計データが引用されています。
本書タイトルは「社会調査」とありますが、もちろんそれ以外の全ての統計データについても当てはまることです。

経営者やマーケティング担当者が触れる情報は、その後の企業の判断・行動に影響を及ぼすものです。
だからこそ、本当にその情報が正しいのか、正しくないかもしれないなら、どの辺が怪しいのかを見抜く力・センスが必要です。

本書では、50以上の実際にあった社会調査が例として挙げ、どこがダメなのか、本来どう調査すべきだったのかが具体的に示されています。

一見、何の疑問も持たずに鵜呑みにしてしまうような調査結果にも、著者が「ゴミ」と呼ぶレベルのものが相当にあるということが分かります。
しかも、新聞など権威あるメディアに載ると、とたんに我々の眼は狂わされてしまいます。

経営者・マーケティング担当者ならずとも、自立した社会人として、何度もまた読み返したい良書です。

   Garbage In, Garbage Out.
   集めたデータがゴミならば、それをどんなに立派に分析したところで、
   出てくる結論はゴミでしかありえない

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