その文章は「複製」か、それとも「引用」か

本日は法律のお話。
日経新聞の1面に「記事の見出し無断使用は違法、知材高裁 ネット配信で初判断」という記事がありました。
ネットの著作権について考えてみます。
記事の内容を簡単に要約するとこういうことです。

デジタルアライアンスという会社が、電光掲示板のようにニュースが流れる「ライントピックス」というサービスをネット上で展開していました。そこで、読売新聞の記事の見出しを許可無く2年にわたって無断使用していたので、知的財産高裁で「不法行為」と判断されました。

当然の判断です。
ただ、解説のところで、少し意外だったのが次の記述です。

著作権法は著作物を「思想や感情を創作的に表現したもの」と規定している。事実を網羅した標語や見出しなどは創造性を発揮する余地が少ないので、司法の場では著作物と認めない例が多い

新聞記事や見出しは著作物ではないのだそうです。
では、今回は何で読売新聞の権利が保護されたのでしょうか!?

「見出しは多大な労力、費用をかけた報道機関の活動が結実したもの」
「法的保護に値する利益を違法に侵害している」(抜粋)

ということです。

この記事は、何気なく読み過ごしてしまいがちです。
しかし、私も含め、このメルマガの読者の中には、ブログやメルマガなどでネット上で発言する人も多いと思いますので、気をつける必要があります。

まず基本的な部分ですが、著作権というのは、文章、画像、映像、音楽を制作した者に自動的に発生する権利です。ソフトウェアのプログラムやデザインも含まれます。当然に、ネット上にあるこのようなファイルなどを複製したり、自分のもののごとく掲載するのはダメです。

次に少し難しいのが、新聞等報道機関の記事です。
私のメルマガでも、さんざん使っていますが、これは一定のルールを守れば“OK”です。
簡単に言うと「複製」ではなく「引用」である必要があります。

著作権法では『引用』に関して次のように記されています。

(引用) 第32条
(1)公表された著作物は、引用して利用することができる。この場合において、その引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれるものでなければならない。
(2)国又は地方公共団体の機関が一般に周知させることを目的として作成し、その著作の名義の下に公表する広報資料、調査統計資料、報告書その他これらに類する著作物は、説明の材料として新聞
紙、雑誌その他の刊行物に転載することができる。ただし、これを禁止する旨の表示がある場合は、この限りでない。

これについては、朝日新聞のサイトに分かりやすく記載されています。
http://www.asahi.com/policy/copyright.html

当たり前のことなのですが、引用であるためには次の3つの条件をクリアしている必要があと記載されています。

  1. 言いたいことの本文があって、引用する文はあくまで本文の説明や補強材料であること
  2. 引用部分がはっきりわかること
  3. 引用先を明記すること

ちなみに引用したい相手が報道機関等で無い場合はどうすれば良いのでしょうか?

ホームページは上記の著作権法の条文にある『公表された著作物』にあたるので、きちんと引用の条件を満たしていればこの条文が適用されるようです。

しかしながら、よく企業等のホームページには「ご利用に際して」などのページがあって、そこで「転載並びに複製、引用は一切禁止します」といった宣言が書かれている場合がありますよね!?
そういった場合はどうなるのか、疑問に思ったのでこちらも調べてみました。

そうしたら・・・

そのような記載は著作権法32条に反しているので、効力は無く、引用使用は認められるのだそうです。

なるほど・・・
私は企業がする「転載並びに複製、引用は一切禁止します」の宣言の方が優先すると思っていました。

しかしやっぱり、法律の範囲内だからOKということではなくて、状況や引用の仕方に応じて、引用先の企業へお知らせしてあげるのも“ネチケット”かなと思います。
私も制作の現場で、2度ほどそういったことがありましたが、企業にとってもPRになるので、快諾してもらいました。
特に引用する側がそれなりの企業の場合は、引用先企業とも良い関係を築きたいですね。

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