東京都新宿区のWeb制作会社 - ウェブラボ株式会社

ウェブラボ代表の山浦が、
Web担当者・経営者・起業家に向けて配信するコラム

Webを集客に活用したい人のための
Webサイト・マネジメント術

最新のトピックや実務家ならではの身近なちょっとした疑問に回答しています。

クッキーとGoogleの広告制限強化

2021.03.07

日経新聞3/4記事「グーグル、広告制限強化」

先週3月4日(木)の日経新聞1面に「グーグル、広告制限強化」という記事が出ていたのを見た人も多かったと思います。3面には文中のサードパーティークッキーの用語説明、15面にも関連記事を載せてあり、結構大きな扱いでした。この記事は、前日の3日にあったGoogleのディレクターによる発言を受けての記事です。

 

どんな内容の記事だったかざっくり言うと、、、

 

  • Googleは、Chromeブラウザで、サードパーティークッキーを含む、それに類する個人の閲覧履歴を追跡する技術の利用を制限する
  • そのことによって生じる広告のターゲティング精度の低下については、個人を特定しない技術で代替する

 

というものです。

 

「個人を特定しない技術」とはどんな技術なのか、記事には下記のようにありました。

 

具体的には、1人ひとりの閲覧履歴をブラウザに搭載したAIで解析し、似た趣味や嗜好を持つ数千人を同じグループにくくって広告の配信に活用する技術

 

クッキー(cookie)とは

この記事は「サードパーティークッキー」という用語を理解していないと、よくわからない記事です。

 

なんだかちょっと楽しそうで美味しそうな名前ですが、「クッキー」とは、Webサイトの訪問者に関する情報(IDや閲覧情報)をブラウザに保存し(Java Script等で扱います)、再びWebサイトに訪問した際にその情報を利用して、テキストや画像を出し分ける技術です。

「サードパーティークッキー」とは、訪問しているWebサイトとは異なるドメインから発行されるクッキーで、複数のWebサイトやブラウザを横断して利用されます。例えば、楽天市場を見た後に別のニュースサイトを見ていたら、先ほど見た楽天市場の商品の広告が追いかけるように表示されるのは、このサードパーティークッキーを使って行われています。

 

自分のブラウザにどんなクッキーが仕組まれているか確認したければ、「cookie ブラウザ 確認方法」とググれば出てきます。制限設定などしていない場合、ビックリするぐらいクッキーが仕組まれているはずです。

 

 

クッキー規制の動き

私がクッキーという用語を知ったのは、2000年頃だったように思います。だいぶ以前から使われている技術で、アドテックの世界は、このクッキーという技術を中心に発展してきたと言っても過言ではありません。

 

個人情報保護の観点から、近年、クッキーに関してはいろいろと規制強化の動きがありました。

 

例えば、2017年には、AppleがiPhoneやMacの標準ブラウザであるSafariで、サードパーティークッキーが読み込まれてから24時間でそれが無効化されるような機能を実装しました。

2018年5月には、EUで施行されたGDPR(EU一般データ保護規則)で、クッキーについても個人データ保護の観点から規制が入りました(その後、訪問時に“クッキー利用の同意画面”が表示されるWebサイトが増えました)。

 

2019年6月には、FireFoxブラウザで、サードパーティクッキーのブロックがデフォルト設定になりました。

 

そして、昨年2020年1月にGoogleも、2年以内にGoogle Chromeでクッキーの外部提供を廃止すると発表しました。
今回のGoogleの発表もその一環なわけですが、サードパーティークッキーだけでなく、より隠密性が高いと不安視する声もあったデバイスフィンガープリンティングのような、それに類する技術まで制限を広げたということです。

 

 

クッキー規制の影響と今後

確かに、自分の行動が全部覗き見られているような最近のアドテックの進化に、気持ち悪さを感じていた人も多いと思います。そういう意味では、一般消費者にしてみれば歓迎すべきことなのかもしれません。

 

しかし、一方で、有料情報が無料で見られたり、インターネットでそういった恩恵を受けられるのは、メディア運営企業が広告で収益をあげられているからです。もしターゲティング広告が無くなってしまったら、広告の精度が下がり、そういった無料メディアの広告収入は半減してしまうとも言われています。
また、日経新聞の記事にも書かれていましたが、クッキーという単純で扱いやすい技術が使えなくなることは、代替技術を開発できる資本と技術力があるGoogleのようなIT大手による寡占化を更に強くするという懸念も指摘されています(それに対しGoogleは、代替技術をオープンソースにするなどして透明性の向上に努めると表明している)。

 

マーケッターや経営者の立場からすると、ターゲティングの精度が低くなれば広告の費用対効果が下がるので喜ばしいことではありません。代替技術がターゲティングの精度をどこまであげられるのかわかりませんが、そこはGoogleの技術力に期待しています。

山浦 仁

山浦 仁 / ウェブラボ株式会社 代表取締役

大学卒業後、大手Web制作会社にてWebディレクターとして数多くの国内大手企業のプロジェクトに携わる。2004年にウェブラボを設立。2007年には中小企業向けのWeb制作ノウハウとCMS機能をパッケージにした「サイト職人CMS」を発表。現在は、中小企業だけでなく大手企業からの引き合いも多く、Webコンサルタントとしても活動中。上級ウェブ解析士。全日本SEO協会認定コンサルタント。

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